その鋭い独特の視点と多彩な才能で、小説だけでなく各分野で活躍するアグレッシブな寓話作家の一人である村上龍の作品をとりあげています。
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わたしは甘えているのでしょうか?27歳・OL
村上 龍
青春出版社 刊
発売日 2006-09-01
オススメ度:★★★★
いいじゃん,甘えていたって (食べていけるなら) 2009-06-05
内々にこもる不満や悩みに,優しく,しかし明確に丁寧な回答をされています.これは女性の方からの質問ですが,ちょっと頭の中で単語を書き換えれば男性にも当てはまると思います.
今からこれを自分の具体的な"悩み"に単語を置き換えて,明日からの自分の生き方をもっと楽しくするために活用しようと思います.
本の中身はというと,お金の話と,かっこつけることの回答が面白い.
お金の悩みには,自分で稼いで食べられればいいじゃない,年収300万と500万じゃ使える可処分なお金が違う,ラクしては稼げない,などなど回答されています.まさに"ミもフタもない".でもそこがポイントなのでしょう.霞を食べて生きられる特異体質な人はいませんし,健康な体と満ち足りたお腹がなければ,よく考えてよく行動するなんてこともできませんから.悩めるくらい体力があるときなら,この回答はいい助言になるなって思います.
次が,かっこつけている人への回答.例えば,隣の人は美人で仕事できて自分は欠点だらけと言われれば,そりゃそうですね,でも隣の芝は青いのですよと返す.日本社会の先行きが不安で子供を持つことをためらうと言われれば,日本人は国家天下を語るのが好きだけど,それ自分には関係ないですから,ちゃんと家計と相談して生めばいいし,生まない選択肢もあるじゃないとか.
自分の問題なのに他人の問題にすり替えたり,自分の弱いところを何かに依存して隠していたり,そんな問いかけに,斬りつけるのではなくて優しい雰囲気で,しかし本音にズバリと,返してくるところは,素晴らしいです.
静かな心の暗室でしっかり考えて発せられたアドバイス 2009-05-03
27歳前後の女性の悩みに村上龍が真摯に答えている。序文で語っているとおり、現実と反することを言って慰めたり不毛な精神論でごまかして叱咤激励したり、非合理な楽観論で甘やかしたりすることが徹底的に避けられている。それでいて、全体とを通してとても優しい感じがするのである。
村上氏のアドバイスは時に辛辣であり無関心であるかのように読めるが、それは氏が心の深い部分でしっかりと考えた上での結論なのである。心の中の平静で無音の暗闇、ここには誰も入り込めない。そこでしばし沈黙し、思考した答えという感じがひしひしと伝わってくる。
数々の悩みはくだらないかもしれないが、氏の答えは本物である。現実には氏のように答えられる人は少ないかもしれない。社会を知っているか知っていないかの問題ではなく、人に本物のアドバイスをするにはそれに足るだけの内心の葛藤の時間が必要だと思うからである。その葛藤を経て、心の中に出来上がった静かな思考の空間を持っているかどうかでその人の言葉の重みが変わってくると思う。
誰かがやらなきゃいけなかった 2007-07-29
とにかく淡々と答えている様がとっても龍さんらしい。
私自身は、甘えているかどうかというより確かに「これくらい本当は周りの人が教えなくちゃいけないよなぁ」という孤独さを感じます。よい悪いではなく、こんな悩みを持っている人がいること自体、日本の生産性が失われている現れではないでしょうか?
もちろん個人の生い立ちとか取り巻く環境とかに違いはあるでしょうから価値観も多様化しているでしょうが、もう少し最大公約数は大きいほうがいいと思います。なんだか外国人の悩みを聞いているような気もしました。
これは「女性」の読み物であるだけではありません。そんな女性に接するすべての人が読んで何かを感じるものだと思います。同時に、「男性」でであればもっと面白い悩みがありそうな気がします。少し意外な悩みもありましたが、30代男性の目としては結構「あるある」と納得するものがほとんどでした。これらが「あなたの知らない世界」の扉になる!・・・かもよ。
さらに詳しい情報はコチラ≫
村上 龍
青春出版社 刊
発売日 2006-09-01
オススメ度:★★★★
いいじゃん,甘えていたって (食べていけるなら) 2009-06-05
内々にこもる不満や悩みに,優しく,しかし明確に丁寧な回答をされています.これは女性の方からの質問ですが,ちょっと頭の中で単語を書き換えれば男性にも当てはまると思います.
今からこれを自分の具体的な"悩み"に単語を置き換えて,明日からの自分の生き方をもっと楽しくするために活用しようと思います.
本の中身はというと,お金の話と,かっこつけることの回答が面白い.
お金の悩みには,自分で稼いで食べられればいいじゃない,年収300万と500万じゃ使える可処分なお金が違う,ラクしては稼げない,などなど回答されています.まさに"ミもフタもない".でもそこがポイントなのでしょう.霞を食べて生きられる特異体質な人はいませんし,健康な体と満ち足りたお腹がなければ,よく考えてよく行動するなんてこともできませんから.悩めるくらい体力があるときなら,この回答はいい助言になるなって思います.
次が,かっこつけている人への回答.例えば,隣の人は美人で仕事できて自分は欠点だらけと言われれば,そりゃそうですね,でも隣の芝は青いのですよと返す.日本社会の先行きが不安で子供を持つことをためらうと言われれば,日本人は国家天下を語るのが好きだけど,それ自分には関係ないですから,ちゃんと家計と相談して生めばいいし,生まない選択肢もあるじゃないとか.
自分の問題なのに他人の問題にすり替えたり,自分の弱いところを何かに依存して隠していたり,そんな問いかけに,斬りつけるのではなくて優しい雰囲気で,しかし本音にズバリと,返してくるところは,素晴らしいです.
静かな心の暗室でしっかり考えて発せられたアドバイス 2009-05-03
27歳前後の女性の悩みに村上龍が真摯に答えている。序文で語っているとおり、現実と反することを言って慰めたり不毛な精神論でごまかして叱咤激励したり、非合理な楽観論で甘やかしたりすることが徹底的に避けられている。それでいて、全体とを通してとても優しい感じがするのである。
村上氏のアドバイスは時に辛辣であり無関心であるかのように読めるが、それは氏が心の深い部分でしっかりと考えた上での結論なのである。心の中の平静で無音の暗闇、ここには誰も入り込めない。そこでしばし沈黙し、思考した答えという感じがひしひしと伝わってくる。
数々の悩みはくだらないかもしれないが、氏の答えは本物である。現実には氏のように答えられる人は少ないかもしれない。社会を知っているか知っていないかの問題ではなく、人に本物のアドバイスをするにはそれに足るだけの内心の葛藤の時間が必要だと思うからである。その葛藤を経て、心の中に出来上がった静かな思考の空間を持っているかどうかでその人の言葉の重みが変わってくると思う。
誰かがやらなきゃいけなかった 2007-07-29
とにかく淡々と答えている様がとっても龍さんらしい。
私自身は、甘えているかどうかというより確かに「これくらい本当は周りの人が教えなくちゃいけないよなぁ」という孤独さを感じます。よい悪いではなく、こんな悩みを持っている人がいること自体、日本の生産性が失われている現れではないでしょうか?
もちろん個人の生い立ちとか取り巻く環境とかに違いはあるでしょうから価値観も多様化しているでしょうが、もう少し最大公約数は大きいほうがいいと思います。なんだか外国人の悩みを聞いているような気もしました。
これは「女性」の読み物であるだけではありません。そんな女性に接するすべての人が読んで何かを感じるものだと思います。同時に、「男性」でであればもっと面白い悩みがありそうな気がします。少し意外な悩みもありましたが、30代男性の目としては結構「あるある」と納得するものがほとんどでした。これらが「あなたの知らない世界」の扉になる!・・・かもよ。
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Ryu's Bar
プロフィール
HN:
ドヤ顔の人
性別:
男性
趣味:
読書(ビジネス書・小説)・ネットサーフィン・スノボー
自己紹介:
学生の頃から村上龍のファンで「コインロッカーベイビーズ」に衝撃を受け、「五分後の世界」「愛と幻想のファシズム」「半島を出よ」などの構築系の作品が大好きです。最近の龍さんの興味は経済にシフトしていますがものすごく勉強になってます。
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