Ryu's Cafe ~限りなく村上龍のことを知るカフェ~ 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1) |村上 龍 忍者ブログ
2024.11│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

その鋭い独特の視点と多彩な才能で、小説だけでなく各分野で活躍するアグレッシブな寓話作家の一人である村上龍の作品をとりあげています。

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)
村上 龍
講談社 刊
発売日 1978-12
オススメ度:★★★★




突き放される 2009-12-01
退廃的に日々を消化する若者たちの物語。
酒、タバコ、ドラッグ、暴力、セックス……退廃を象徴する様々な要素が登場し、主人公の目線で語られるのだけど、読者である私とその世界はどこか遠く、また主人公とその世界さえ遠いものに思えます。
暴力やセックスといったセンセーショナルなものまでどこか淡々と流れるように進んでいくその突き放され感が心地好い。他人の生活なんてそんなもんか。物語にどっぷり浸かりたい人には不向き。

限りなく日常に近い非日常 2009-11-25
ドラクエシリーズをやったことのある人は「はい」と「いいえ」以外の自分の意思表示ができないことにイライラしたり、「いや、それはそれで仕方ないことや」と従ったり、何も疑問を持たずにストーリーに乗っかったりしたことがあるかと思います。

ドラクエシリーズをやったことがない人にはそういった例を今回、僕は用意できませんけど、この小説は「我が輩は猫である」。
リュウを演じる、という意味でロールプレイング。
リュウは基本的に目です。
テレビが壊れてるんじゃない。テレビの向こう側とこっち側が壊れてるんだ。
読み手である僕らは仕方なくリュウの目線を借りるしかないんだ。
読み終えて「あーおもしろかった」ではすまなかった。
山下洋輔トリオが某大学のバリケード内で演奏している様を体育座りで没頭してる学生たちの映像が頭をよぎる。

21世紀における村上龍 2009-11-06
この小説が、何かに対しての明確なカウンターになる時代は、とうに過ぎてしまいました。
しかしながら、一周回ってこういう感性が珍重される時代になってきたのかもしれないとも思います。
村上春樹やライトノベルが売れる今、こういったビートくずれの小説が教えてくれることは多いのではないでしょうか。
何事かを成す人間は、大抵は優れたバランス感があります。A VS Bという対立軸の両方に股をかけてることができる人間こそが今の時代には必要です。

趣味を深く掘り下げやすくなって、いわゆるタコつぼ社会になってしまった現在、タコつぼから出てこないヲタクや不良には片方への理解や感性は希薄です。そういった人種には何もなせません。
「頭いい」で通ってきた未来あるクレバーな若者に、ぜひ勧めたい一冊。


さらに詳しい情報はコチラ≫
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
←No.167No.43No.56No.45No.18No.109→
現在の時刻

Yahoo!ブックマークに登録
はてなRSSに追加
livedoor Readerに追加
My Yahoo!に追加
Googleに追加
goo RSSリーダーに追加
Powered by SEO対策 RSSプラス

Ryu's Bar


プロフィール
HN:
ドヤ顔の人
性別:
男性
趣味:
読書(ビジネス書・小説)・ネットサーフィン・スノボー
自己紹介:
学生の頃から村上龍のファンで「コインロッカーベイビーズ」に衝撃を受け、「五分後の世界」「愛と幻想のファシズム」「半島を出よ」などの構築系の作品が大好きです。最近の龍さんの興味は経済にシフトしていますがものすごく勉強になってます。
ブログ内検索
最新TB
最新CM
もちろん携帯で見る
RSS
カウンター