その鋭い独特の視点と多彩な才能で、小説だけでなく各分野で活躍するアグレッシブな寓話作家の一人である村上龍の作品をとりあげています。
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新 13歳のハローワーク
村上龍
幻冬舎 刊
発売日 2010-03-25
オススメ度:★★★
へー、こんなにいろいろな職種があるんだと再認識した18歳の子の親 2010-04-07
この本は大ベストセラーとなった前著の改定版です。大きなイラストも多いで
すが、漢字が多い本だなあという印象があります。13歳からの思春期の男女を
対象にしたとあり、難しい漢字には今時の本にはめずらしくルビもふってあり、
勉強になるので悪くはないでしょう。
映画のところをみると、監督、制作、助手、俳優、カメラマン、衣装・道具係く
らいの職種はあらかじめ思いつきますが、スタントマンなど予想外なものも少なく
ありません。他の分野も同様で、世の中こんなにいろいろな職種があるんだと、
目からうろこ、大人が読んでもとても参考になります。物書きにとっては意味を
調べるのではなく、アイデアの源泉として辞書、百科事典同様、座右に備えておく
べき本とも言えます。
ですが、職業というものは一部の職種と一部の人を除いて、こういう本を読んで
そのなかから職業を選択するのではなく、実際は人やできごと、この種のハウツー、
百科全書的でない本との出会いのなかで決めるのだと思います。そういう意味では、
少年、少女向けハローワークとは呼べないかもしれません。また、得意教科からの
紹介は入って行きやすいですが、それにとらわれ過ぎるのはどうかなと思います。
一方、私の分野である医療関係について言えば、職務や待遇、勤務形態、これまで
の経緯、そしてこれからの展望など、まさにその通りと思わせます。でも、逆に最大
公約数的で、実際には一口に医師と言っても、さまざまな職務、さまざまな考え、
やり方があり、千差万別と言うこともできます。また、これからの日本を背負って
立っていく若い人には、ここに書かれている仕事内容を突き破って行ってほしい、
そうしないと君たちの将来も日本も明るい展望は開けないのではとも思います。散り
ばめられている功成り名遂げた人のエッセイや対談は生き生きとしていて、その弱点
をそれなりに補ってはくれています。
この本が若い人の職業選択に役立つかは定かではないですが、この本を肴にして親
とは滅多に話もしない思春期の子との親子の対話を計るのに役立つかもしれません。
何より読んでとてもおもしろいのは確かです。
医師で作家の左門 新
三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
女はなぜ素肌にセーターを着れるのか
いい本ではある、しかし・・・ 2010-04-01
「13歳のハローワーク」が出てすぐに買って読んだ口である。取り上げられている職業は多岐にわたっており、はっとする発見もあり、面白い。しかし、理系のものづくり系の私としては、ちょっぴり不安を感じずにもおれなかった。というのも、どうも「ものづくり」はあっさり「エンジニア」の仕事しか出ていないからである。また、当時の風潮として、コンピューター・IT系のこき下ろしには特集まで組んであった。
さて、本書は、その改訂版である。私は、ちょびっと期待しつつ、ページを捲ってみた。そして、いくらかの改善の跡を見つけることができて嬉しかった。しかしである、「反ものづくり(脱ものづくり)」のポリシーには、いささかのゆらぎもないようである。この国のGDPを、筆者は何で稼ぎ出すべきだと考えているのか、合点がいかない。もっとも、この本の趣旨は、不透明な社会の中であきらめず、天職に出会うことであるから、日ごろ見過ごされている多くの仕事にこそ光があがっているのだろう。
年寄りの繰言として気になるのは、デジタル家電も、ソーラー発電も、ハイブリッドカーも、「ものづくり」と「組み込みIT」の総合芸術になっているんだけれどなぁ・・・。なのに、あいかわらず「エンジニア」と「ゲームプログラマ」くらいしか、関連のものがないなぁ。これじゃ、この国の産業は衰退しちゃうよ!
さらに詳しい情報はコチラ≫
村上龍
幻冬舎 刊
発売日 2010-03-25
オススメ度:★★★
へー、こんなにいろいろな職種があるんだと再認識した18歳の子の親 2010-04-07
この本は大ベストセラーとなった前著の改定版です。大きなイラストも多いで
すが、漢字が多い本だなあという印象があります。13歳からの思春期の男女を
対象にしたとあり、難しい漢字には今時の本にはめずらしくルビもふってあり、
勉強になるので悪くはないでしょう。
映画のところをみると、監督、制作、助手、俳優、カメラマン、衣装・道具係く
らいの職種はあらかじめ思いつきますが、スタントマンなど予想外なものも少なく
ありません。他の分野も同様で、世の中こんなにいろいろな職種があるんだと、
目からうろこ、大人が読んでもとても参考になります。物書きにとっては意味を
調べるのではなく、アイデアの源泉として辞書、百科事典同様、座右に備えておく
べき本とも言えます。
ですが、職業というものは一部の職種と一部の人を除いて、こういう本を読んで
そのなかから職業を選択するのではなく、実際は人やできごと、この種のハウツー、
百科全書的でない本との出会いのなかで決めるのだと思います。そういう意味では、
少年、少女向けハローワークとは呼べないかもしれません。また、得意教科からの
紹介は入って行きやすいですが、それにとらわれ過ぎるのはどうかなと思います。
一方、私の分野である医療関係について言えば、職務や待遇、勤務形態、これまで
の経緯、そしてこれからの展望など、まさにその通りと思わせます。でも、逆に最大
公約数的で、実際には一口に医師と言っても、さまざまな職務、さまざまな考え、
やり方があり、千差万別と言うこともできます。また、これからの日本を背負って
立っていく若い人には、ここに書かれている仕事内容を突き破って行ってほしい、
そうしないと君たちの将来も日本も明るい展望は開けないのではとも思います。散り
ばめられている功成り名遂げた人のエッセイや対談は生き生きとしていて、その弱点
をそれなりに補ってはくれています。
この本が若い人の職業選択に役立つかは定かではないですが、この本を肴にして親
とは滅多に話もしない思春期の子との親子の対話を計るのに役立つかもしれません。
何より読んでとてもおもしろいのは確かです。
医師で作家の左門 新
三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
女はなぜ素肌にセーターを着れるのか
いい本ではある、しかし・・・ 2010-04-01
「13歳のハローワーク」が出てすぐに買って読んだ口である。取り上げられている職業は多岐にわたっており、はっとする発見もあり、面白い。しかし、理系のものづくり系の私としては、ちょっぴり不安を感じずにもおれなかった。というのも、どうも「ものづくり」はあっさり「エンジニア」の仕事しか出ていないからである。また、当時の風潮として、コンピューター・IT系のこき下ろしには特集まで組んであった。
さて、本書は、その改訂版である。私は、ちょびっと期待しつつ、ページを捲ってみた。そして、いくらかの改善の跡を見つけることができて嬉しかった。しかしである、「反ものづくり(脱ものづくり)」のポリシーには、いささかのゆらぎもないようである。この国のGDPを、筆者は何で稼ぎ出すべきだと考えているのか、合点がいかない。もっとも、この本の趣旨は、不透明な社会の中であきらめず、天職に出会うことであるから、日ごろ見過ごされている多くの仕事にこそ光があがっているのだろう。
年寄りの繰言として気になるのは、デジタル家電も、ソーラー発電も、ハイブリッドカーも、「ものづくり」と「組み込みIT」の総合芸術になっているんだけれどなぁ・・・。なのに、あいかわらず「エンジニア」と「ゲームプログラマ」くらいしか、関連のものがないなぁ。これじゃ、この国の産業は衰退しちゃうよ!
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Ryu's Bar
プロフィール
HN:
ドヤ顔の人
性別:
男性
趣味:
読書(ビジネス書・小説)・ネットサーフィン・スノボー
自己紹介:
学生の頃から村上龍のファンで「コインロッカーベイビーズ」に衝撃を受け、「五分後の世界」「愛と幻想のファシズム」「半島を出よ」などの構築系の作品が大好きです。最近の龍さんの興味は経済にシフトしていますがものすごく勉強になってます。
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