Ryu's Cafe ~限りなく村上龍のことを知るカフェ~ 忍者ブログ
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その鋭い独特の視点と多彩な才能で、小説だけでなく各分野で活躍するアグレッシブな寓話作家の一人である村上龍の作品をとりあげています。

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日本経済に関する7年間の疑問 (生活人新書)日本経済に関する7年間の疑問 (生活人新書)
村上 龍
日本放送出版協会 刊
発売日 2006-11
オススメ度:★★★




巻末に掲載されているこの7年間の質問に、著者の経済を見る目の鋭さが感じられる。 2007-04-21
 村上龍が主催する「JMM」という金融・経済に関するメールマガジンの村上龍のエッセイの部分をテーマ別に再編集したもの。
このJMMは、あの「失われた10年」と言われていた時代に創刊され、村上龍の質問に、金融・経済の専門家が回答するという形式のメルマガで、私も創刊間もない時期から購読していた。 この7年間の日本経済の変遷を振り返るのには、ちょうどよい書物であり、JMMは新たなメディアとしての役割を立派に果たしてきたのだと感じる。
村上龍が最後に述べている「質問する力」というのは、本当に大事だと思う。
巻末に掲載されているこの7年間の質問に、著者の経済を見る目の鋭さが感じられる。

大切な人と感動を共有したいということ。 2007-02-11
 村上龍氏の経済・政治・スポーツ関係のエッセイはよく読みます。逆に小説は あまり好きではありません。

○感銘を受けたところ

p.127 成功者の定義として、「生活費と充実感を保証する仕事を持ち、かつ信頼 できる小さな共同体を持っている人」という仮説を立てました。
 →ワタミの渡邉社長がその著書の中で、人生にとって重要な6つの柱という話を していました。

仕事
家庭
教養
趣味
財産
健康

私はこれに、心技体を加えたいと思っています。6つの柱について、心技体の観 点から強化をするというものです。それに加えて、他者との信頼感のある共同体が あれば、人生はハッピーなのではないでしょうか。最近、年を重ねていくことに関 していいなと思ったことがあります。それは、「彼とは20年来の友達だ」という言葉に代表される、時間の重みです。

 若いうちは友達といっても短く鮮烈な経験でつながっています。中年に差し掛かっ ていくにつれて、昔からの友達は少なくなっていきます。その中で、細いながらつ ながっている、古い友達というのは、強い関係でなくても時間の重さを感じられ、 信頼感があります。

p.240
 つまり、大切な人というのは、何か感動的な体験をしたときにそれを共有したい と思える人です。
 この感動をいつか共有したいという対象となる人が、その人にとっての「大切な 人」なのだと思います。

 自分ひとりで感動した時以上の喜びがよき上がることもあります。それは広義 のコミュニケーションであり、私たち人類はコミュニケーションそのものに喜び を感じる生き物なのでしょう
→上記は、とても共感します。私が一人旅ではなく、大切な人や友人と旅行に行 くのが好きなのは感動を共有したいのと相手が楽しんでいる・喜んでいる姿を見たいからです。

旅行や宴会で幹事をやってよかったと感じる瞬間は、みんなが楽しんでお酒を飲 んだりおしゃべりをしているその時に、ふっと頭の中に「ああ、いい雰囲気の時 間だ」と感じられる時です。

 こうやって本を紹介するのも、自分が感動した本を誰かと共有したいからなの かもしれません。

問題意識を整理するのに役立つ。 2007-01-23
著者の精力的な活動範囲の広さには驚く。

私は著者の小説をまったく読んだ事がないか、コメンテイターというか、評論者としての氏の実力は高く評価している。もちろん、個々の論点や意見について、データや考察の不足を指摘することは可能ではあろうが、しかし、全体として著者の見識とバランス感覚の高さには驚く。特に本書ではそう思う。それはおそらく、読者というか参加者たちとの交換が頻繁に行われているからだと推察する。


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恋愛の格差 (幻冬舎文庫)恋愛の格差 (幻冬舎文庫)
村上 龍
幻冬舎 刊
発売日 2004-06
オススメ度:★★★




何にも頼らない生き方、自立のススメ 2007-04-23
「恋愛の格差」というタイトルから恋愛論を想像して読んだけれども、これは恋愛論というより生き方論だと思う。「普通ってなに?」「マジョリティとは?」「社会って?」「世間とは?」「安心できる生き方ってなに?」村上龍はこの本の中で読者に徹底して問い続けている。国として目指すべき方向がわからなくなった(と村上は言う)今、普通の、安心できる生き方などない。国に、会社に、家族に、異性に依存することで「安定」が手に入っていたこれまで。でももうそういったものに依存することはできない。技術や知識がなければ、これからは社会の底辺で生きていくことを(=それは選択肢がないこととも言えるだろう)余儀なくされる。だから、自立すべき。自分の知識と技術ベースに充実した仕事をもって、自分で稼ぎ、自立した人間として生きて初めて恋愛できる。それがこの本のメッセージのようだ。よくあるメッセージといえばそうだけど、割と楽しめた。


この本の目的は? 2005-05-05
古本屋で買いました。村上龍の本を読むのは初めてです。
展開される議論には正しい面も多いと思うのですが、何故かすんなりと共感できません。
それぞれが自立したタフな人間になっていくことの必要性はわかるのですが、皆がみなそんな人間にならなければいけないのでしょうか。そうなることで現在の諸問題は本当に解決されていくのでしょうか。
私にはどうしてもそうは思えないのです。
しかもこの本には、すでにタフな人間から「もっとタフにならなきゃヤバイぞ」というメッセージが示されるだけで、「弱いものがタフになるためにどうすればよいか」というヒントは一切示されていないのです。
結局この本を共感を持って読むことができるのは、すでに経済的にも安定したタフな人間だけであって、そうでない人にとっては頭ごなしにものを言われているような印象が強いのではないでしょうか。
常に自立してタフに生きようとしてきた村上龍さんには、サラリーマンや引きこもりや依存について当事者の状況を想像することは不可能で、平等なものの言い方をすることはできないのではないかと思います。
この本を読んで前向きになったり生き方を見直したりする人はまずいないでしょう。村上さんは、いったい誰に何を言いたかったのでしょうか、疑問です。
もう少し、人に対するやさしい視点があればずいぶん感じ方も違ったと思うのですが。

やっぱり村上節 2004-07-19
恋愛の話から、経済に飛んだり哲学的になったり、またしても村上節炸裂のエッセイです。
なるほどと思う話もあったり、村上龍はこんな風に感じるのかと思ったり、感じ方もひとそれぞれだと思います。


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はじめての文学 村上龍はじめての文学 村上龍
村上 龍
文藝春秋 刊
発売日 2006-12-06
オススメ度:★★★★




はじめての文学シリーズ 2008-03-04
 このシリーズは図書館ではヤングコーナーなどに置かれている本です

が大人でも十分に楽しむことができます。

 今まで直感、評判で読む本を選んでいた私にとってこのシリーズとの

出会いは価値のあるものになりました。 

 全12巻を読み、贔屓の作者を見つけることが出来ました。ぜひとも全

12巻、読むことをお勧めします。あなたも贔屓の作者を見つけてみてく

ださい。


村上龍


 反りが合わないとはこういうことを言うのだろうと感じました。一応

全部読んだのですが全然しっくりきませんでした。どうやら村上龍とは

相性が悪いようです。星3つの評価は相性が合わないことがわかったこと

に対するものです。


収録作品は

『ハワイアン・ラプソディ』

『フィジーのバニラ』

『ムース・ショコラ』

『おまえ、いいな巨人戦も見れるんだろ?』

『ワイルド・エンジェル』

『空港にて』

『浦島太郎』

『鶴の恩返し』

『希望の国のエクソダス』(本来長編作品なので最初の3章のみ収録)

の9点です。


 『鶴の恩返し』はあの鶴の恩返しを現代風にしてさらに村上龍のテイ

ストを加えた作品になっています。9点の話を読んだあとなぜか『鶴の恩

返し』だけが頭の中をぐるぐる回っていました。




はじめての村上龍 2007-02-23
「はじめての文学シリーズ」の現代日本文学を代表する12名の作家の中で

唯一、一冊も読んだことのない人が実は村上龍さんです。


村上龍を読むいい機会を与えてくれたものです。

サンキュー、はじめての文学!!


収録作はどれもまったく違うカラーを持っていて、

この一冊じゃ村上龍という人の顔を到底つかめない。

この人の本を何冊も読んでいる夫に聞いたところによると、

夫自身が好きな作品はほとんど収録されていないということなので、

この一冊で村上龍に対する判断を固めてしまわない方がいいみたい。


しかし、全編通して感じたことは、

今の日本の現状に警笛を鳴らしている、ということ。

誰もが知っている日本の有名な昔話をモチーフにした2作も

親しみやすさというベールをかぶりながら、実は確信的なことをついている。


印象深いのはやはり「希望の国のエクソダス」。

本来は長編である作品を最初の3章だけ収録していますが、

なんともまぁ気になる部分で切ってあって、続きが気になって仕方ない(-_-;)

とりあえずこの長編を読むことからはじめ、

徐々に龍ワールドを体験していこうと思います。

昔噺を読んでも、自分なりの解釈をするおもしろさ 2007-02-18
 短編9編の中、2編が日本昔噺の再話になっている。ただ、現代に引き寄せて身近な話にしようと工夫されている。

 

 まず、「鶴の恩返し」の主人公の若者は、デパートのアパレル売場の勤めに満足できず、自然に囲まれた山の生活に安らぎを見出していた。ある日、ボウガンで撃たれたツルを助けてやる。ある夜、ミニのワンピースを着たおんなが現れる。そのツウと同棲を楽しむのだが、暮らしは楽にならない。それでツウの織ってくれた布で生活を支えていた。それが評判になりテレビに出されたりするが、その結果ツルになって飛び去ってしまう。大筋は昔噺と同じだが、最後に洋服メーカーの偉い人の言った次のセリフが意味深長なのである。

 「幸せにしたいという気持ちだけで、ほかの人を幸せにできる時代は、とっくに終わっているんだ」…この若者の時代錯誤を作者は批判的にみているのか、憐れんでいるのか分からないにしても、最後にこういう含みのある言葉で読者に話しかけていると読み取りたい。

 

 次に、「浦島太郎」である。この再話では、その時を「昔」とも「今」とも言っていない。主人公はその名のとおり浦島太郎である。亀をいじめる子どもたちとのやりとりが現代的である。太郎はいじめている子どもを殴りつけるのである。そして、「なぜおまえをなぐったか分かるか」と問いつめるのである。いじめとはどういうものかを彼らに身を以て悟らせようとしている。そこに作者の創作意図が伺える。カメの恩返しで、竜宮城招待、楽しい生活を捨てて再び里帰りという大筋は変わらない。ただ、「開けてはいけないものはいらない」と玉手箱をもらわなかったところが違っている。開けると年取るようなのは玉手箱ではない、という作者の見方が面白い。

 

 ありきたりの昔噺もこのように読み手が自由な発想で読み深め、新しい解釈をすると、実に楽しくなる。そんなことをふと教えられた次第です。


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ダメな女 (光文社文庫)ダメな女 (光文社文庫)
村上 龍
光文社 刊
発売日 2004-05-13
オススメ度:★★★




賛否両論 2009-01-17
村上龍さんが大好きな人にはこの本が理解できるかもしれません。いい女なんてこの世にはいない。いい女になろうと何かを探して頑張っている人に読んでほしいです。いい女になろうと何かを探すよりも、早く自分らしさを見つけた方がいいかもしれません。人まねでは幸せにはなれない。何をしたいか悩んでいる人に読んでほしいです。少しはヒントになるかも。

ダメな女 2007-12-10
‘ダメな女’をテーマに、女性週刊誌に連載されたエッセイである。

結論からいくと、村上龍はダメな女像をはっきりと明言していない。
掃除が出来ない、料理が作れない、金遣いが荒い、仕事人間、気遣いが出来ない。
このような女はダメだなど一言も言っていない。

村上龍の作品に出てくる女は個性的な人が多い。

ただたまたま‘ダメな女’などという大袈裟なタイトルなだけであって、ライトな感覚で読むものだと思う。

ただ、龍さんの言うように、選べる立場でいれる自立した女になりたいとは思う。


僕はひょっとしたらダメなヤツかもしれない。そして、あなたも。 2006-10-05
ダメな女というものが僕の中ではっきりとした存在であるわけではなく。


ダメなヤツというものの存在もまた同じであると思う。


仮にダメな女がいるとして、僕やあなたとどれほどの差があるんだろうか?

いや、そんなに差はないはずだと思う。


僕はひょっとしたらダメなヤツかもしれない。そして、あなたも。




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半島を出よ (上)半島を出よ (上)
村上 龍
幻冬舎 刊
発売日 2005-03-25
オススメ度:★★★★




危機管理関係の作品と合わせて読みたい 2009-08-22
この「半島を出よ」を読むと、日本は実は軍国主義の時代から本質的には変わっていないことに気づく。
本土の捨て駒にした沖縄県民に「お国のために死ね」と言って六十年以上が過ぎ、 それが今作での福岡県民には「平和のために死ね」と形を変えて蘇る。
かつては戦争の引き際を認める勇気がなく、現代では守るべき時に戦う勇気がない。
憲法第九条はすばらしい憲法だが、それを宗教のように信仰し「自衛隊を無くして無防備になれば他国に襲われない」と大真面目に語る人がいるが、彼らは「国の大事には神風が吹く」と何の現実的根拠もなく兵士を無駄死にさせていった大本営の軍人たちと精神構造は実は同じなのだ。

この「半島を出よ」はとにかくそういった日本人のダメな部分を辛辣に描いている。
我々はこの本を読んで、真の自由とは何か、戦争とは何か、国を守ることとは何かを学ぶべきだろう。
現実にはあの少年たちのようなアウトローたちが立ち上がってくれる可能性なんてないのだから……


龍先生の授業 2009-06-19
個人的には面白かったです。 しかし、人物の背景や内面以外の説明が多く細かいのが今作の特徴の一つで、その為全編に渡りスピード感が無く、登場人物(イシハラ達)が余り動かない事もあり感情移入出来ませんでした。 僕は興味の無い箇所はスカッと流す感じ読んだんですが、それでも所々でめんどくさい感じがしました。 近い作品を挙げるなら麻生幾の(ZERO)みたいな感じでしょうか?

リアルすぎる 2009-02-24
「情熱大陸」で、本の装丁作家の方が取り上げられた時に、この本も彼が手がけている本の一つということで紹介され、翌日すぐに本屋に走った。普段、文庫派の私だが、この本はどうしても文庫まで待てない気持ちにさせる吸引力があった。
福岡市周辺の住民は、めちゃくちゃリアルに体感してしまうような内容だと思う。
主な地名や商業施設、地理的描写など容易に想像がつくほど、ほぼほぼ実名で脚色無しに
書かれているので、読んだ当初は本当に北朝鮮軍が攻めてきそうで怖かった。
そして読んだ直後に友人の結婚式で文中に登場するホテルシーホークに行った時は「このチャペルで。。。」などと、一人で想像していたら、列席する友人が真緑のドレスを着てきたので一人で可笑しくてしょうがなかった。 なぜ、可笑しいかは下巻を読んだらわかる。

ちなみに、ハードカバーのカバーを見たら、福岡市周辺の人間は絶対「我が家はどこだ?」と探してしまうはず。。。。
とにかく福岡県民には、特に読んでほしい本。


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読書(ビジネス書・小説)・ネットサーフィン・スノボー
自己紹介:
学生の頃から村上龍のファンで「コインロッカーベイビーズ」に衝撃を受け、「五分後の世界」「愛と幻想のファシズム」「半島を出よ」などの構築系の作品が大好きです。最近の龍さんの興味は経済にシフトしていますがものすごく勉強になってます。
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