Ryu's Cafe ~限りなく村上龍のことを知るカフェ~ 忍者ブログ
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その鋭い独特の視点と多彩な才能で、小説だけでなく各分野で活躍するアグレッシブな寓話作家の一人である村上龍の作品をとりあげています。

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コインロッカー・ベイビーズ (下) (講談社文庫)コインロッカー・ベイビーズ (下) (講談社文庫)
村上 龍
講談社 刊
発売日 1984-01
オススメ度:★★★★




破壊と破滅への哀切な疾走 2009-02-18
自らを放擲した社会への復讐を果たす為にキクはダチュラを求めてアネモネらと島へ渡り、自らへの先天的な違和感に葛藤したハシは錯乱する。現代版ハムレットとでも言うべき悲劇の完結編である。
方や棒高跳び選手、方や歌手として衆目を一身に受けながら、徐々にそれを喪失してゆく二人の姿は、あたかも元通りにコインロッカーへと回帰してゆくかの様な皮肉な風情を湛えている。コインロッカーより生まれし二人は、社会という巨大なコインロッカーの呪縛から脱け出すことはできなかったのであろうか?
積年の憎悪とともにダチュラを放つキクと、彷徨の末に遂に見つけた母の総てを赦すハシ。カタストロフィに満ちたラストは極めてショッキングだが、同時に、耽美さすら感じさせる。まさに、刺激と余韻こそが作家・村上龍の神髄だと言えよう。
「限りなく」で退廃を、「海の向こうで」で空虚を描いた龍。本作を敢えて形容するなら、まさに魂といったところではないだろうか。
三十年も前の作品だとは思えない色褪せぬ瑞々しさ。そして、歯の根が合わない殺伐さ。この二つに裏打ちされた壮絶なリアリティを輝かせるこの無上の一作が、これから先も村上文学の頂点であり続けて欲しいと、私は願ってやまない。

これを超えることはたぶんできない。 2007-03-01
龍さんのその後の作家としての原点です。

これをモチーフにふくらませて何作も書いていますが、

これを超えることはおそらくできない。

これと、『69』を読めば龍さんは修了です。

これを超える一冊をオイラはいつか読みたい。



心臓の音に見えるは青い海。 2007-01-28
東京というのは、

暴力的なエネルギーに満ち溢れていて

近代的なイメージの反面、

今にも崩れてしまうんじゃないかという危惧も抱かされる。

きっとそれは、

東京という場所に住んでいる人々の影響も大きいのだろうけど。


村上龍の初期作にして、

とてつもない問題的傑作。

彼が描く東京とそこに住む人々の情景は、

何とも現代的で脆くて尖ってて壊れやすい。



キクとハシの物語を軸に

美少女アネモネやその他大勢を巻き込んで

東京というとてつもない怪物にダチュラの砲弾をぶちこんでやる。


心臓の音が聞こえるかい?

僕らは<コインロッカー・ベイビーズ>だ。




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13歳のハローワーク13歳のハローワーク
村上 龍
幻冬舎 刊
発売日 2003-12-02
オススメ度:★★★




仕事案内 2009-12-11
少し風変わりな仕事案内えす。世の中の数ある仕事の内容を紹介した本です。非常に色々な仕事があることがわかります。そして、誰でも、あった仕事があるのだということを思わせてくれる内容になっています。13歳の子供たちの可能性を大切にしている本だと思います。人間一人一人を大切に考えている本だと思いました。固定観念にとらわれない仕事選びができることと思います。さし絵は、ほのぼのとして、素晴らしいさし絵が沢たくさん掲載され、この本の魅力にもなっています。大型本で、しっかりしていますが、重い本です。

子供にも大人にも 2009-04-18
眺めていくうちに、自分の深層心理にある「好き」が見つかるかも。

高度な楽しみをするための大人向けのコレクション本 2009-02-01
有識者となった立場の人間ががそうでない者に教授するときに覚える快感を擬似体感できる本。

 各職種の解説(のような文章)を著者の(あのいつもの感じで)公平とは言いがたい視点で時に悲観的に紹介する。若い読者がこれを読んだことによりこの本を与えた大人が期待する効果を得ることがあるならば、その読者は既に、この本以外から同等の(正しい)知識を得る能力と見識を持っているだろう。

 逆にそうでない読者にこれを与えたところで、文書と構成が難解なので、これがどんなに偏見に満ちた悪書であれ否であれ、挿絵を表題をパラパラめくったあとで部屋の隅に追いやられるだけだろう。

 ということで、いわゆるタイトルから連想する実用性は実際は無いのだが、でも、それで良いのだ。これは、実は13歳が読むのではなく、これを買って与えたらきっと・・・・と、与えられたものが感銘を受けている様子を夢想して楽しむ部分に全ての価値があるのだから。


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13歳のハローワーク13歳のハローワーク
村上 龍
幻冬舎 刊
発売日 2003-12-02
オススメ度:★★★




仕事案内 2009-12-11
少し風変わりな仕事案内えす。世の中の数ある仕事の内容を紹介した本です。非常に色々な仕事があることがわかります。そして、誰でも、あった仕事があるのだということを思わせてくれる内容になっています。13歳の子供たちの可能性を大切にしている本だと思います。人間一人一人を大切に考えている本だと思いました。固定観念にとらわれない仕事選びができることと思います。さし絵は、ほのぼのとして、素晴らしいさし絵が沢たくさん掲載され、この本の魅力にもなっています。大型本で、しっかりしていますが、重い本です。

子供にも大人にも 2009-04-18
眺めていくうちに、自分の深層心理にある「好き」が見つかるかも。

高度な楽しみをするための大人向けのコレクション本 2009-02-01
有識者となった立場の人間ががそうでない者に教授するときに覚える快感を擬似体感できる本。

 各職種の解説(のような文章)を著者の(あのいつもの感じで)公平とは言いがたい視点で時に悲観的に紹介する。若い読者がこれを読んだことによりこの本を与えた大人が期待する効果を得ることがあるならば、その読者は既に、この本以外から同等の(正しい)知識を得る能力と見識を持っているだろう。

 逆にそうでない読者にこれを与えたところで、文書と構成が難解なので、これがどんなに偏見に満ちた悪書であれ否であれ、挿絵を表題をパラパラめくったあとで部屋の隅に追いやられるだけだろう。

 ということで、いわゆるタイトルから連想する実用性は実際は無いのだが、でも、それで良いのだ。これは、実は13歳が読むのではなく、これを買って与えたらきっと・・・・と、与えられたものが感銘を受けている様子を夢想して楽しむ部分に全ての価値があるのだから。


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イビサ (講談社文庫)イビサ (講談社文庫)
村上 龍
講談社 刊
発売日 1995-04
オススメ度:★★★★




本当に破滅的と言えるのか… 2009-10-12
 前半は、確かに麻薬的な世界に無理やり引きずり込まれるようなパワーを感じる。これは傑作だと思いながら読み進んでいったところ…

 モンテカルロで「ガイド」の幽霊が姿を現すあたりから、どうも気分が乗らなくなってくるのだ。ジョエルが消える際も適当な逃げ口上を言っているとしか思えなかったり、モロッコの砂漠地帯での数日も結局無駄な感じがしてしまう。最後にたどり着くイビサでの結末も、なんだかあっけない感じである。この結末、個人的には作者自身の言葉にもかかわらず「破滅的」とは全く思えないのだが。

 文章的に、その後半に入ってから特に目立つようになるのが1段落の長さである。1ページ2ページはざら。特に上記砂漠地帯が描かれる部分では8ページ近く改行なしで延々と書き連ねられる。文章自体がわざと読みにくくしているようなタイプではないだけに逆に「何故改行しない?」と思ってしまった。

止められぬ、魂の鼓動 2009-04-07
今まで読んできた村上龍作品の中でも、頭抜けた傑作の一つと言っていい。これだけ退廃的で淫靡で、それでいて詩的で耽美な小説が、他にどれだけ存在するだろうか?
日本女性をアラブに売買している男に言い含められ、男の正体を知らないままに共にパリへと旅立つ孤独な娼婦。だが、彼女はそこで自らの具現化した意思の存在に気付き、それによって間一髪のところで危難を察して、男のもとから逃亡する。様々な性的倒錯者と出逢い、別れながら、彼女の孤独な旅は続く。そして、小説の表題でもある「イビサ」へと最後に辿り着いた彼女を待っていたのは、驚愕の現実だった…。
売春をしていた新宿の裏路地、華やかなパリ、官能美に満ちたカサブランカやマラケシュ。この作品だけに限ったことではないのだが、村上龍の(特に海外の)街やそこの名も無き群像の描写には、そのルポルタージュのごときリアルさに、小説であることを失念しそうになる。
作中の登場人物達は、救いようもなく奔放で、無尽蔵な欲望に対してハイエナのように貪欲だが、それでも大車輪で道を突き進む。決して好感の持てる者逹ではないし、むしろ嫌悪すら抱く。だが、彼らには紛れもなく、精悍な生命の律動が感じられる。
「トパーズ」同様、性表現は過激極まりないし、文体も取っつきづらい。だが、この小説のソフィスティケートされた情景と神話的なスケールの前には、それらの欠陥はさしたる意味を成さない。この小説のテーマは「破滅」だが、その延長線上には希望が必ずあるはずだと、私は願いたい。

革命 2008-06-17
自身の欠如を自覚し、全く異にするもので補う、それ自体は自覚しないことが既に、革命的な要素を含むことを、本書を読み、学んだ。


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昭和歌謡大全集 [DVD]昭和歌謡大全集 [DVD]
出演:松田龍平 /池内博之 /斉藤陽一郎 /近藤公園 /安藤政信
バンダイビジュアル
発売日 2004-05-28
オススメ度:★★★


???定期的にカラオケパーティを開いている6人の少年グループ(松田龍平、安藤政信、池内博之など)と、全員ミドリという名前のおばさん6人(樋口可南子、岸本加代子、鈴木砂羽など)が、ちょっとしたいさかいからいつしか殺しあいへと発展。しかもその武器もどんどんエスカレートしていき……。
???村上龍の同名小説を『はつ恋』『命』などの俊英・篠原哲雄監督が映画化した近未来風ノンストップ・バイレンス映画。しかし、そのテイストは一貫してブラック・ユーモアにあふれたもので、またそれらのシーンをタイトルさながら『恋の季節』『また逢う日まで』などさまざまな歌謡曲が一見何の脈絡もなく(!?)彩り、一段と不可思議な映像空間へといざなう。殺し合えば殺し合うほどお互いのグループが生き生きとし始めていくという、病める現代日本に棲息する者たちの屈折したパワーの解放がすさまじくもおもしろい。(的田也寸志)

観る人を選ぶ映画だと思うが、このチャレンジは面白い! 2009-09-20
本作はもう撮影から7年が経つが、テーマ(日本人社会の鬱積度合)が普遍的なため、古くならない。おばさんグループ(みどり会)と若者グループの度を超えたいがみ合いが、最終的に東京壊滅の事態をもたらすストーリーは、今観ても十分刺激的だ。荒唐無稽といえばそれまでだが、これを映画化した篠原組は凄いと思う。まあR15指定だけあり、血糊は多いが、いわゆるホラーチックなそれとは違うので、全体的にはブラックコメディの色合いだ。俳優陣も魅力的な配役であり、特に松田龍平、池内博之、安藤政信のキレ味は抜群だった。おばさんチームも樋口可南子、岸本加代子、鈴木砂羽らが色気ある芝居で魅せる。ナイフからピストル、バズーカから最後は原子爆弾と、お互いの武器もエスカレートするが、全体がのんびりムードで進むために「社会への挑戦」みたいな嫌味も感じない。また斎藤陽一郎、原田芳雄、鰐淵晴子らは、そのまま篠原組の大傑作「天国の本屋」出演に繋がっていくのも興味深かった。観る人を選ぶ作風であることは間違いないが、一度観ておいて損はないチャレンジフルなシャシンです。星は平均点の3つ。

昭和歌謡に導かれ 2009-01-12
 まずこういうデリケートな原作ものはいっつも、いっつもあたかも自分の作品かのように「作品を汚された!」「原作と全然違うじゃねえか!」と駄々をこねる人がいますが、もう止めて下さい。そんなの当たり前じゃないですか? 別物に決まってますよ! 決まってると分かってても文句言いたくなるのが人間かもしれませんが。 


 要はこの映画、昭和歌謡にのせて繰り広げられる若者の野郎グループと、オバサン集団「みどり会」の殺し合いです。初めは双方の途方も無さそうなギャップから物語が始まったはずなんですが、次第にこいつら似たもの同士だな、と観る人は行き着くんです。だから共食いに近いんですよ。登場人物は気付いていませんが。それが面白かった。


 お互いそれぞれの人生の中で無理に刺激を求め、無為に日々をすり減らし、「何だかなあ」という生活を送っている。それが「事件」を引き金に、「殺し合い」がお互いを生きがいを見つけたかのように溌剌とさせるんです。そんな充実ぶりを表すかのように、凶器がどんどんエスカレートしていって、最期には(笑)のような状況が待っています。尾崎氏のエンディング・テーマと相まって良い感じでした。


 ただ不満なのが、女性陣のキャスティング。何だかすれてるオバサンにしては綺麗すぎなんですけど。別に熟女好きではないですが、森尾由美とかフーミンとか鈴木砂羽はそんな役を押し付けられるほど萎びれていないと思うんですが。やっぱり「OUT」ぐらいくたびれていないと。

深くは考えずに… 2007-06-18
原作知りません。なので予備知識無しで見ましが、これは完璧な娯楽作品でしょう。バイオレンスあり、ブラックユーモアあり、エロありで何でもありですな。少年グループもおばちゃんグループも殺人を肯定しているのでR-15も然り。同性からしてみればおばはんの自慰シーンなんか見せられても萎えるだけですよ。平成生まれなので歌の小ネタも分からなかった(コスプレかYO!)。オチを見てるとギャグにも見えてきた。作品としては大好きですが。
私は未成年なのでどうしても少年グループに感情移入しそうになるが、大人からみた現代の若者の恐さが表現されていると思う。顔もよくて一見好青年のスギオカ君がささないなことでキレる様はそれの真骨頂だろう。また、生き残ったイシハラ君が多分無学だろうにたった一人で原爆を完成できたのは「子供の未知の可能性」という正の部分と「目的の為には手段を選ばない」という負の部分の皮肉だと思うが考えすぎか?原爆を完成させてその周りを自転車で旋回しながら熱唱する様子はインパクトがありすぎ。
あの後、イシハラ君はどうなったんだろう?もし死んでしまったのなら、あの世で皆とまたバカやってそうだなぁ…。


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プロフィール
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男性
趣味:
読書(ビジネス書・小説)・ネットサーフィン・スノボー
自己紹介:
学生の頃から村上龍のファンで「コインロッカーベイビーズ」に衝撃を受け、「五分後の世界」「愛と幻想のファシズム」「半島を出よ」などの構築系の作品が大好きです。最近の龍さんの興味は経済にシフトしていますがものすごく勉強になってます。
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